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2004.06.27

白いカラス

新宿武蔵野館1。
ロバート・ベントン監督。アンソニー・ホプキンス,二コール・キッドマン主演。
コールマン(アンソニー)は名門大学の学部長だったが,講義中の人種差別的な発言が問題となり,辞職に追い込まれる。追い討ちをかけるように妻が急死。社会からも家族からも見放され,孤独のどん底に落ちるコールマン。そんな彼が恋をする。その恋人,フォーリア(二コール)も義父の虐待,夫の暴力,子供の死という悲劇的な過去を持ち,社会と孤立して生きてきた。そんな歳も親子ほど離れた孤独な二人の悲しい恋物語である。アンソニーの細やかな演技は秀逸。二コールもすれた中年女性を感情たっぷりに演じてくれる。この二人の演技だけでもお金を払う価値のある作品だ。コールマンには50年もの間,誰にも告白せず(できず)にいた重大な秘密がある。フォーリアにもコールマンに打ち明けられない秘密があった。お互いの心を開くことで,ようやくコールマンは,フォーリアにだけ秘密を打ち明けるのである。二人の想いが純愛に昇華する瞬間。孤独を選んだ者達にようやく訪れる幸福の時。死の目前,お互いが寄り添うほんの一瞬のワンカットだけでその感情の同化,許しあう深い愛情が表現されているところがすばらしい。アメリカの人種差別問題は宗教問題と並んで日本人にはわかりにくいいりくんだ難しい問題。このあたりで,ネイティブと日本人の受ける感動の種類は変ってくるだろうが,丁寧な心理描写とストーリーにマッチした音楽の出来の良さは理解できる。静かな感動を与えてくれる佳作だ。

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Comments

トラックバックありがとうございます。
アメリカの人種問題については、温度差というかリアルな体験がない(少ない)日本人には捉えにくいことなのかもしれませんね。
微妙な心の変化をさらりと演じている俳優さんたちの演技は見物だと思います。

Posted by: Cafe Society | 2004.06.30 at 09:09 AM

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