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2004.06.07

天国の本屋~恋火

新宿ピカデリー1。
篠原哲雄監督。竹内由結子,玉山鉄二主演。
ピアニストの健太(玉鉄)はある日,オーケストラをクビになってしまう。ヤケ酒で酔いつぶれて目覚めると,なんとそこは,天国の本屋だった。健太はこの天国の本屋でバイトを始めることになる。主な仕事はお客様の要望に応えてその本を朗読してあげることだ。そして,健太は,自分がピアニストを目指すきっかけになったピアニスト,翔子(竹内)に出会う。だが,翔子はピアノが弾けなくなっていた。翔子の恋人は花火師の瀧本。若い二人は毎年花火と楽曲を一緒に作り,それが10曲になったら結婚しようと誓いあっていた。しかし,花火の暴発事故で翔子は片耳の聴力を失い,二人は別れることに。10度目の花火は上がらず,10曲目の組曲も未完のままになってしまった。その後,翔子は身体を壊し,瀧本と会えぬまま天国へ来てしまったのだ。健太はもう一度翔子にピアノを弾いてほしい。自分が天国にいるうちにこの曲を完成させようと,翔子に協力する。
一方,地上では,翔子の姪,香夏子(竹内二役)は町内会の花火大会を復活させようと奔走している。『恋する花火』の伝説を聞いたからだ。叔母の翔子が見たかった『恋する花火』。その花火を作っていたのが瀧本であることを,そして,瀧本こそ翔子が待ち続けた恋人であったことを香夏子は知った。瀧本を説得するため,何度も足を運び,もう一度『恋する花火』を上げてほしいと懇願する香夏子。だが,瀧本は承諾しない。
さて,翔子の組曲は完成するのか。『恋する花火』は再び上がるのか。天国の翔子の想いは,地上の瀧本に伝わるのか。
クライマックスの,翔子の完成した組曲演奏と,夜空に舞い上がる花火のコラボレートが美しい。そして,最後に上がる『恋する花火』。その恋火を香夏子と健太が見上げている。
この物語はラブストーリーではない。ファンタジーである。ラブストーリーは,この映画を観終わった後,僕らの心の中で静かに始まるのだ。香夏子と健太の恋物語も…。
『深呼吸の必要』と同じく,篠原監督が丁寧な作りで心ときめかせてくれる佳作である。カップルで観にいかれる方はスクリーンで恋火が上がる光に照らされた隣の恋人を見つめてみてはいかがだろうか。惚れ直すかも,ね。

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