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2004.06.09

21グラム

新宿ピカデリー3。
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督。ショーン・ペン,ナオミ・ワッツ,ベニチオ・デル・トロ主演。
この映画は難しい。だからあえてストーリーの説明はしない。いきなり主人公の臨終のシーンから始まる。驚いているうちに,画面は時間をさかのぼり,物語の断片を切り取りながら映し出されていく。映画初心者には,一体何の話なのか,わからないかもしれない。だが,その断片の我々への提示の仕方も十分に演出されていることに気付かされる。3人の物語はバラバラに断片され,まるでぶちまかれたジグソーパズルのピースのように,脈絡なく画面がから流れてくる。だけど,そのピースはいつのまにか相互関係を持ち,納まるべきところへすんなりと納まっていく。そして,それは冒頭のシーンへと繋がっていくのだ。そうして一瞬にして物語の全貌が明らかになり,物語が持つ哀切の世界が我々に提示されるのである。この演出手法が斬新ですばらしい。3人それぞれが持つ心の葛藤を,バラバラに提示することで,より鮮明に観せてくれる。より切実で重い。そして3人の運命が一見バラバラなようで,実は不思議な絆に結ばれたひとつの運命共同体であることを示してくれるのである。ショーン・ペンをはじめ,主演3人の白熱の演技もすばらしい。
この映画のタイトル,『21グラム』は人間が死ぬ時に失われる魂の重さのことを指す。主人公の臨終の時の不思議な落ち着きと孤独感と慈しみの心が,その重さの意味を問いかけてくれる。
この映画は難しい。だが,ある意味では傑作かもしれない。観る人によって評価が分かれる作品だ。

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