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2004.11.08

2046

新宿グランドオデヲン座。
ウォン・カーウァイ監督。トニー・レオン主演。

1960年代の物語。新聞記者のチャウ(トニー)は,かつて結ばれることなく別れてしまった女を忘れることができず,シンガポールで暮らしていたが,香港に戻ってくる。あるホテルの一室に腰を落ち着けることになるが,売文業で生計を立てながら,夜な夜な女を引き連れ遊びまわる自堕落な日々が続く。そんなチャウは,ホテルの支配人の娘とその日本人の恋人をモデルに『2046』という小説を書き始める…。

ああ,出来れば思い出したくない。この映画を観る前に失敗していたことがあったのだ。
失敗その1:劇場の予告編や公開前にやたらTVで頻繁にやっていたキムタクの番宣に完全にハメられてしまって,勝手に作品のイメージを固めてしまっていたということ。
失敗その2:本作の前編である『花様年華』を観ずに本作を観てしまったこと(これを観るちょっと前にWOWOWでやっていたのを見逃してしまった。僕はレンタルビデオは観ないのでこれは痛かった。)。

その結果,この映画の正体を見極めることが出来た時にはエンドロールだった,という悲劇が起こってしまった。
この作品は『花様年華』から引き続いて張られた様々な伏線を楽しみながら,トニー・レオンの『男の色気』を重厚なムードと共に存分に堪能するための大人の恋愛物語である。だから,
キムタクは本筋とは関係のない全くの脇役,キムタクが出てくる『2046』の未来のエピソードも完全に小ネタと割り切り,あくまで1966年から数年のチャウの女性遍歴の物語と理解した上で観る,
必要があったのだ。なんと大勘違い。おかげで,
1.ラスト近くまで,『2046』へ行ってただ一人帰ってきた男(キムタク)が,もう一度『2046』に行く物語が描かれると思い込んでいた。
2.チャウはなんて自分勝手でジコチューで大人気なくだらしないスケベー(中年)オヤジなんだろうと本気で思っていた。
という印象のままエンドロールを迎えるという悲劇とあいなった次第。

妙に未来の話(おまけにキムタクがナレーションしたりするから日本人には余計に)がインパクト強すぎて,本筋(チャウの話)が曖昧になってしまった感じがする。これなら逆に未来の話はカットした方が良かったのではないだろうか。支配人の娘に小説『2046』(『2047』だったっけ?もう分かんないや)を書き直して,と言われて書き直すシーンがあったと思ったが,あの続きはどうなったんだろう。あれもどっかで否定しておいてほしかったな。あと,チャン・ツィイーが演じる女には徹底的に冷たいチャウ。なぜ?この辺,物語が過去,現在,未来といりくんでいて,時系列が分かりづらいので,その理由がぼやけてる。
いずれにしても,本作は大々的に番宣を打って大劇場で多くの大衆に気軽に観てもらうような作品ではない。ミニシアターでその濃厚な世界を十分承知の上でじっくりと味わいながら観る作品である。そういう気構えが出来ていれば,それなりに見所もあるかもしれないが,デートムービーになんか使った日には目も当てられない。

キムタクは良くも悪くもなかった。豪華な共演陣の中でもそれなりの存在感は出ていたと思うが,前述のとおりキムタクを観にいく映画ではない。僕的には,この作品の上映前の予告で『ハウルの動く城』があり,バージョンが新しくなっていてハウル役のキムタクの台詞が初めて一言だけ聞けたのだが,それが意外と納まりが良かったので,『ハウル,それなりに観れるかも…』と思えた方が収穫だったかもしれない。

『父,帰る』(やっぱりこの作品,褒めてる人いるよ~)で狂い始めた僕の感性に,この作品が拍車をかけた格好。今,溜め込んでいる鑑賞済みの作品のレビューはしばらく愚痴になります。

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Tracked on 2004.11.11 at 10:08 PM

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