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2004.12.18

恋文日和

アミューズCQN。
大森美香,須賀大観,永田琴恵,高成麻畝子監督。村川絵梨,田中圭,塚本高史,中越典子他出演。

4つの『恋文』をめぐる男女の心情を鮮やかに紡ぎだすオムニバス・ラブストーリー。

この作品はね,良いとか悪いとかじゃなく,とにかく心にグッと来た。本当に誰にでも打てる速さの真っ直ぐなボールが来て,それを気持ち良く打ち返す,っていう感覚。特別凝ったプロットがあるわけじゃないんだけど,どうしても共感せずにはいられない。4つの恋文=Love Letterが軸となる物語が展開されるのだが,そのどれもが悲恋じゃなくて,ほのかにハッピーエンドなのがまた観ていて心地良い。恋文という媒介でお互いの気持ちをやり取りする男女が織り成す心の綾が絶妙で美しい。驚いたのが,恋文にこめる想いの質。その純粋さは今の十代でも変わらないんだとその普遍性に本当に驚く。これってきっと観る人が持つラブレターに持つ思い入れに比例すると思う。老若男女は関係ない。携帯やメールが発達した現代の若者達が,そういう伝達手段のなかった僕ら30代後半の世代が若かった頃に書いたのと全く同じ感覚と思い入れで手書きラブレターを書く。そこがこの作品を観てストライクゾーンど真ん中に来る理由。どんな世代が観ても同じように共感できる作品だと思う。人を好きになるっていう純粋で崇高な想いには,歳は関係ないんだと痛感。
今の若者達もこの映画の主人公達のように手書きのラブレターで恋や愛を告白するのだろうか。僕らの世代では当たり前だった。それしか手段がなかったから。だから,僕も若い頃はいっぱいラブレターを書いた。中学生時代の交換日記のようなものから,高校時代には拙い恋愛感情を綴ったものへ。あの時代はそれをやりとりするだけで嬉しく楽しかった。文字にすることで自分の気持ちが正当化され,より純粋になるような気がした。大人になってからは,もっと意味深いものになり,逆に文字にすることでその言葉に重みが出てくる。当時の僕の場合は,ラブレターを書くのが本当に好きで(笑),便箋8枚(!)もの大作を書いて逆に相手に引かれることが多かった(当たり前だよ)けど。自分では,『このラブレター読んで俺にホレない女はいない』って勝手に思い込んでたなあ。今考えると,3回出して1回返ってくるってペース自体ダメだったわけだけれど(バカ→当時は夢中で冷静に考えられなかった。そんなんだから今でも独身なんだよっ。)。あの時は一字一字に本当に魂込めてたな。同じことを書いても,メールじゃ絶対に伝えれられない気持ちがあると思う。もう長いこと恋愛してないからラブレターを書くこともなくなったけど,手書きの『ラブレター』には特別な力があると今でも信じている(かなりオメデタイかも,俺)。僕みたいなバカじゃなくても,そういう青春時代の純粋な経験を持った人なら誰が観ても間違いなく共感できるので,十代から僕より上の世代まで,幅広い世代にお薦めできる佳作です。ああ,また本気でラブレター書いてみたい!(やっぱちょっとアブナイか,俺)。

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Comments

ユカリーヌさん,コメントありがとうございます。
僕もこの映画を観て,はるか昔,恋文をしたためていた頃のことを思い出しました。映画のエピソードに出てくるのと同じように,いつも決まって,同じ便箋に封筒。もちろんペンも同じ。あの頃なりにこだわっていたんだな,ってちょっと笑えます。
これからもよろしくお願いします。

Posted by: たつし | 2005.07.21 at 08:43 PM

>たつしさま
手書き文字のあたたかさとか、もどかしさを
再認識した映画でした。
恋のはじめのときめきがすごく伝わってきて、
いいですよね。

TBとコメントありがとうございました。

Posted by: ユカリーヌ(月影の舞) | 2005.07.21 at 03:06 PM

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