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2004.12.07

エイプリルの七面鳥

ル・シネマ2。
ピーター・ヘッジス監督。ケイティ・ホームズ主演。

エイプリルという女の子が,ガンで余命いくばくもない母親のために,感謝祭の日,七面鳥を焼こうとして頑張る話。

もう1ケ月も前に観た作品。いかにもミニシアター系の,じんわりやんわり感動系の物語である。主人公のエイプリルは険悪な関係となった家族に反発して,家出同然で家族を放棄した娘である。しかし,そんな彼女も母親の迫り来る死という現実の前に,母親との和解を図ることになる。それが,自分のアパートでの感謝祭への家族の招待であり,母親のために七面鳥を焼くという行為なのである。最初は乗り気でないエイプリル。ボーイフレンドに励まされながらようやく料理に取り掛かる。ここで,七面鳥を焼くはずだったオーブンの故障が判明。あせったエイプリルは,オーブンを貸してくれる人を探して,アパート中を走り回る。知らず知らずのうちに,七面鳥作りに必死になっていくエイプリルがほのぼのおかしいし,いじらしい。対する母親は,朝一番に起きて準備万端で車に乗り込んでいるにも関わらず,エイプリルの悪口ばかり。しまいには逆切れして,病気になったこともエイプリルのせいにする始末。歩み寄りたいんだけど,歩み寄れない,そんな母娘のやるせない複雑な心情をしみじみと観せてくれる。家族がアパートの前まで来たのに,ぼろアパートと黒人のボーイフレンドを目の当たりにして,エイプリルに会わずに逃げてしまうのも面白い。
(以下,いつもどおりネタバレ)

アパートの前から逃げた家族は郊外のレストランで食事を摂ることするが,そのレストランのトイレで,母親は,ある母子に出会う。その母親は自分の娘を激しく叱りトイレから出て行く。一人取り残される少女。その怯えた少女と目があった瞬間,エイプリルの母親は,自分の娘へのすれ違っていた愛情に目覚め,エイプリルに会いに行く決心をするのである。今までの確執が嘘のような,この一瞬の『ひらり,くるり』と変わる心情変化が鮮やかだ。その心情変化の描写はあっさりしすぎているくらいなので,この瞬間,場面の心理描写が読み取れないと,エンディングでの母娘の再会や,最後だが一生の思い出になるであろう家族いっしょの楽しい感謝祭の感動が薄れてしまうかもしれない。いずれにしても,感動を押し売りする作品ではない。ろうそくの炎のようなささやかな感動の後味を,じんわりやんわりしみじみと味わう作品である。

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