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2005.01.20

マイ・ボディガード

新宿ピカデリー3。
トニー・スコット監督。デンゼル・ワシントン主演。

元米軍の対テロ部隊員のクリーシー(D・ワシントン)は長く辛い暗殺という任務を続けたため身も心もボロボロになり,親友を訪ねてメキシコシティに向かう。親友に実業家の9歳の娘ピタ(ダコタ・ファニング)のボディガードの仕事を紹介される。最初は仕事と割り切りピタと接しようとしたクリーシーは,次第にピタの優しさと純粋さに触れることで失くしていた人間の温かい心を取り戻していく。そんなある日,二人は誘拐武装集団に襲われ,クリーシーは瀕死の重傷を負い,ピタは誘拐されてしまう…。

これは『男』の映画だ。本当の『男』を観るための映画だ。感動,という言葉にはあてはまらないが,鑑賞後はその世界観に魅了されてしまう。その世界観はとても重い。そのどっしりとした重量感が心の満足感を押し上げる。作品の宣伝文句に『レオン』が持ち出されていたが,レオンとは全く違う世界観だ。確かに少女は物語に出てはくるが,真は『男』のための『男』の映画なので,レオン繋がりでこの作品を観てはいけない。
ピタ役のダコタ・ファニングは本当に演技が巧い,素晴しい。細やかな表情の変化の演じ方も凄いと思うが,何よりも凄いのは,その年齢には不似合いな圧倒的な存在感だ。スクリーンの中で当たり前のように,どっかと腰を据えて演技している。何十年も演じ続けたベテラン女優のような味わいがある。そして,その目が澄み切った湖のような深みがあって吸い込まれそうな魅力がある。彼女の代表作『アイ・アム・サム』を僕の苦手な子供を使ったお涙頂戴映画と勝手に食わず嫌いして観ていない(大好きなミシェル・ファイファーが出てるのに)のだが,そこでもきっと相当な演技をしているのだろう。
デンゼル・ワシントンの演技については,言わずもがな。ピタと触れあい,温かい心を取り戻す素の『人間』の部分と,ピタを誘拐され復讐の鬼と化す冷徹な『人間』の部分との演じ分けが素晴しい。しかも,種類は違うがどちらもちゃんと『人間』の血が通っているのが分かる納得の演技だ。素直に感情移入できる。
この二人の演技だけで,十分鑑賞価値のある映画だ。

(以下,ネタバレ)

殺されていたと思っていたピタが実は生きていて,クリーシーと再会できる,というラストはどうなんだろう,と観ながら考えていた。確かに,ピタを抱きしめたクリーシーがほろりと流す涙!にはグッと来たが。しかし,ピタの存在によって自分がこの世に生きる価値を見出すことができたクリーシーにとっては,ピタが生きている世界こそが,『自分が生きてきた証』を見つけた瞬間なのかもしれない。そう考えれば,やがて訪れる彼の死の時に彼は本当に幸せだったと言えよう。
もう明日で公開終わってしまうけど,大人の『男』が観るべき重厚感のある作品だと思う。

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Comments

月の風さん,いらっしゃいませ。お待ちしておりました。
僕もですね,デンゼル・ワシントンがああいう役にハマるとは思っていませんでした。ハードボイルドな雰囲気満点で,なかなか見応えのある作品でしたね。観にいってよかったです。

Posted by: たつし | 2005.01.29 at 01:17 AM

こんにちは。
出張の後、体調を崩し、なかなかこられませんでした。

うーん、デンゼル・ワシントン、なかなかでしたね。厳つい男があれほど似合うとは。
続編が観たいような気もしましたけど、あの終わり方では観られませんね。
残念!

Posted by: 月の風 | 2005.01.28 at 12:50 PM

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Tracked on 2005.01.28 at 12:46 PM

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