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2005.08.31

星になった少年

シネフロント。河毛俊作監督。柳楽優弥主演。

動物プロダクションを営む両親を持つ中学生の哲夢(柳楽)は,大の動物好き。ある日,母・佐緒里(常盤貴子)の思いつきから一家は象を飼うことになる。そして,ミッキーという象がやってくる。最初は恐々だった哲夢だが,すぐにミッキーと仲良しになる。そして,2匹目の小象・ランディがやってきた。哲夢にはランディの言葉が理解できた。もっともっと象たちと仲良くなりたいと考えた哲夢は,佐緒里に『タイに行って象使いの修行がしたい』と訴える。最初は大反対だった佐緒里も,哲夢の強い意志に折れ,タイ行きを認める。そして,13歳の哲夢は象使いとなるため,一人タイに旅立つ…。

大人にも分かる象が主役のおとぎ話のようでもあるが,立派に実話に基づくドキュメンタリーに仕上がっている。柳楽君の演技は,相変わらず淡々としてて,明らかに『素』のままなのだが,ちゃんと存在感が備わっているのが頼もしい。タイでの象使いの修行のエピソードの数々に身を乗り出して見入ってしまうのは,柳楽君の体当たりの演技が演技を感じさせないくらい『素』なので,親心で心配していまうからなのだが,それでいて,様々な障害にも全然へこたれないぞ,という『強い眼差し』は柳楽君の真骨頂であり,象に心をさらけ出しよりそう姿と相棒を思いやる優しい心に癒される気分がする。タイでの象使いのシーンも良かった(このタイのロケは大変だったと思うが,渾身の出来栄えになっている。このタイの場面だけでも十分に鑑賞の価値ありだ)のだが,一番僕が癒されたシーンは,日本で,ランディと海辺で遊んだ後,哲夢がランディと共に浜辺でまどろむシーンかな。

修行が終わり,日本に帰った哲夢は,ランディ達と共にいろいろなイベントに参加し,そして,日本初の『ゾウさんショー』を仕切ることになる。このショーの冒頭,哲夢が観客に向かってスピーチするわけだが,それが動物愛だけでなく,家族愛もさりげなく称える内容になっており,泣かせる。哲夢の優しさの多面性とほとばしる愛情の強さに,心を突き刺される。

(以下,ネタバレにつき,未見の人は読まないでください)

そう,その満足感も,ラストシーンまで。哲夢が突然の事故で亡くなってしまって,プロダクションも移転することになった最後の日,家の屋根の上で一人,哲夢を懐かしむ佐緒里。そこへ,哲夢の恋人,絵美(蒼井優)が現れ,哲夢から聞かされた象使いになりたがった理由を佐緒里に伝える。

『お母さんが象が好きだったから』

その理由を初めて知り,親思いの哲夢の優しさに佐緒里は涙が止まらなくなる。

(以下,常盤貴子の泣きの演技)『うー,うー,うー,う,うわぁ~~ん!!(雄叫び)』

って,なんで泣くのに嗚咽じゃなくて,雄叫びなの?常盤貴子,あんたは象にでもなったのか?それまでの作品のいい雰囲気,これで全部ぶち壊し。85点の成績がいきなり赤点に落ちた気分だよ。演出大丈夫か?よくこれでOKテイク出したな。タイで一生懸命綺麗な画を撮ってきて,最後の最後に主演女優がそれを全部葬ってしまうのだから…,おそるべし,常盤貴子の大根演技。おかげで感動が急速に萎んでしまった。これから観る方へ。どうか,この作品は哲夢のお葬式の場面で席を立ちましょう。エンドロールまで観たら後悔しますから。

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