« 親善試合,日本対アメリカ,2-3 | Main | 今夜のエコパ »

2006.02.14

キング・コング

北島シネマサンシャイン。ピーター・ジャクソン監督。ナオミ・ワッツ,ジャック・グラック,エイドリアン・ブロディ他出演。

大恐慌時代の1933年のニューヨーク。売れない女優のアン(ナオミ・ワッツ)はB級監督のカール(ジャック・ブラック)にスカウトされ,撮影隊と脚本家のジャック(エイドリアン・ブロディ)を乗せた船は航海の途中,深い霧に包まれ座礁してしまう。漂着したのは,カールが目指していた孤島,スカル・アイランドだった。クルー達は早速上陸するが,待ち受けていた先住民に襲われ,アンは連れ去られてしまう。彼らはあるものにアンを生贄として捧げる。やがてアンの目の前に現れたのは…。

正月に観た映画をやっとアップできます。他にも観た映画はあるけれど,これだけは絶対にアップしないと。最高級のカタルシス。映画を観て,こんなに純粋に楽しめ,感動したのはいつ以来だろう。鑑賞後に溢れる高揚感。気持ちの高鳴りに魂が震える。素晴らしい出来栄え。CGはもちろん最上級に素晴らしい。スターウォーズに匹敵する,いや凌駕してしまうかもしれない。キング・コングの体毛の一本一本の描き込みや,顔の皺,そしてトドメは,コングの目,瞳の描き込みの素晴らしさがこの作品の良否を決定してしまっている。この瞳がCGなのか。本物と見紛う瞳の輝き,曇りにコングの喜怒哀楽が120%で表現されていてもう感情移入せずにはいられない。コング対恐竜のバトル等,アイデア溢れる構図のクオリティの高い画をこれでもか,とお腹いっぱいになるまで魅せてくれる。観る前は,単なるCGアニメと実写の合体モノと思い込んでいた予想をひっくり返してくれる。ここまで完成度が高いと感動モノだ。

そして,もっと凄いのは単なるVFXモノに終わっておらず,ドラマとしてもかなり上級の仕上がりのラブストーリーに仕上がっている。ナオミ・ワッツってこんな美人だったか?この時点でもう僕はこの作品の魔法にかかっているのだ。ラスト近く,コングはエンパイア・ステートビルに上るが,それはアンと二人で朝日を見るためだったのか。そう考えると,なんともロマンティックだし,美しいプロットだ。やがて訪れる悲劇の前で,朝日を眺めるコングとアンの姿の美しさが余計に際立つ。ラスト,戦闘機とのバトルの末,コングは息絶え,ビルの下に落ちていく。アンとの別れの時。コングの表情,最高に感動させる。転落したコングの顔をあえて写さなかったのは正解だと思う。あと,コングとアンが公演の凍った池の上でじゃれあうシーンは良かった。最高の美女と野獣のデートシーン。作り手の良心が見える。

この作品は,この純粋なラブストーリーの裏側にある,人種差別や,人間でないもの,異形のものへの拒絶感の残酷さ,空しさもきちんと描いている。動物擁護を訴えながら,コングのような異形の象徴を都合のいいように扱う人間の傲慢さを見落としてはいけない。

監督・スタッフのキング・コングへの思い入れ・愛情がいっぱい詰まった入魂の一作。3時間8分,スクリーンに釘付けの驚くほどに完成度の高い作品に仕上がっている。生涯ベストの何位かには絶対に入れたい作品。ピーター・ジャクソン監督,恐るべし。『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』のような素晴らしい作品に続いて,これほどの作品を観せてくれるとは。次回はどんなマジックで僕らを驚かせてくれるのか,今から楽しみだ。

|

« 親善試合,日本対アメリカ,2-3 | Main | 今夜のエコパ »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18273/8659839

Listed below are links to weblogs that reference キング・コング:

« 親善試合,日本対アメリカ,2-3 | Main | 今夜のエコパ »