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2006.12.09

未レビュー作品を纏めてアップ

いつまで経っても鑑賞後のレビューが書けないので,仕方ないので短評に纏めてみた。
僕は批評する上で,採点するのはあまり好きじゃないけど,短評なので,視覚で出来具合を理解していただくために,五つ星=満点,で評価してみた。

『マッチポイント』…★★★★
『運』,『勝者と敗者』,『野心と愛欲』について,絶妙のウィットを効かせながら描いた作品で,引き込まれる。ラストの展開とオチが最高。S・ヨハンソンが絶品に色っぽい魅力的な女性から全く不快な女性へ堕ちていく姿が男には怖い。

『紙屋悦子の青春』…★★★★
戦時下でも日常の生活に溢れているユーモアと敗戦が迫る厳しい世相を対比させ,どちらも殺さずに絶妙のバランスで描いた反戦映画。『大切な人のために生きていく』という当時の人々の人生の選択に感動。役者がみんないい味出している。急逝された黒木監督にご冥福を申し上げます。映画職人の魂を感じた。

『涙そうそう』…★★
妻夫木聡が大熱演。本当巧くなったねえ。長澤まさみも頑張ってた。兄妹が別れる場面では泣けた。しかし,その後の脚本が最悪で,それまでの役者の努力を全てぶち壊し。おまけに『泣け,泣け』の超過剰演出。逆にどん引き。これがヒットしてるなんておかしいよ。

『フラガール』…★★★★★
笑いと感動と涙に溢れたとてもベタな作りの作品。でも,演者の熱は伝わる。後半はもう蒼井優の演技に泣かされっぱなし。彼女は天才だ。ラストのダンスシーンも素晴らしく,感動。今年の邦画では『ゆれる』と並んでお気に入りの作品。

『イルマーレ』…★★
ラストは予想していたオチと良い意味で裏切られ,ハッピーエンドなラブストーリー。キアヌはこういう誠実な役が似合うね。プロットは好感持てたんだけど,サンドラ・ブロックにあまり魅力を感じないので,★ひとつ減らした結果に。

『トンマッコルへようこそ』…★★★★
ファンタジックに描いた珍しい反戦映画。山奥の平和な理想郷を舞台に利益相反する敵国の兵士達が,戦争の道具としてではなく,次第に人間として大切なもの,国を超えた信頼関係を築いていく姿を感動的に描いた作品。素晴らしいのは,最後の戦闘シーンでさえ,どこかファンタジックな画で仕上げてあるところ。戦争なんてものは本当に不毛だという人間の愚かさを再認識させてくれる作品。

『カポーティ』…★★★★★
重厚な演出に彩られた主演のフィリップ・シーモア・ホフマンの演技が絶品。カポーティが自分の執筆欲のために,人格を偽りながらひとつの事件に深く関わっていくうちに,次第に人格が崩壊していく様を丁寧に,丹念に,残酷に描いている。相当にヘビーな仕上がりだが,映画好きにはたまらない鑑賞感。文句なしの五つ星。

『かもめ食堂』…★★★★
ヘルシンキののんびり感とかもめ食堂の雰囲気がたまらなく良い。小林聡美が背筋がピンと伸びた自立した女性を好演。片桐はいりももたいまさこも強烈なスパイスで効いている。鑑賞感がとても良い。女性に人気があるのも納得。

『手紙』…★★★★
邦画には珍しく重厚な作りの作品。犯罪者ではなく,その家族に対する差別がテーマになっているのだが,安易に差別から逃げずに『向き合えって生きていけ』ときっぱり言い切る作り手のメッセージに拍手したい。泣きの演技をさせたら山田孝之は絶品。玉山鉄二がとても頑張っていた。この作品では沢尻エリカも良かった。差別に負けず,幸せな家庭を築いてほしいと祈らずにはいられないラストだった。

『ただ,君を愛してる』…★★★★★
作品としての出来は星二つくらい。途中で不要なシーンやだるいシーンもある。しかし,クライマックスの写真展でのシーンが僕のツボにハマりまくり。もう泣いた,泣いた。一枚の写真の持つ力を存分にスクリーンで表現していた。そこだけのオチにころっとやられてしまった。玉木宏がこんなに演技ができると思ってなかった。そして,宮﨑あおいの演技が最高。可愛い少女から大人の女性へ脱皮する瞬間を演じきっていた。素晴らしい。他人にはお奨めできないけど,僕的には満足度の高い作品。

『虹の女神~Rainbow Song』…★★★★★
『ただ,君を愛してる』と比べれば,こちらは正統派でしっかりした作り。脚本も演出もこちらの方が上。ストーリー自体も引き込まれるものがある。これも僕のツボにハマった作品。文句なしの五つ星。上野樹里がもう抜群にいい。こういう女の子を男は好きになりやすいのに,市川隼人演ずる智也は最後の最後まで自分の気持ちに気付かない。告白できない想いと気付かない本心のすれ違いが切なくて,いい味出している。そして,妹役の蒼井優の存在がとても効いている。こういう演技も出来るのか。本当に彼女は天才だ。またしても,岩井俊二ワールドに魅せられたなあ。

『父親たちの星条旗』…★★★
戦闘シーンは『プライベート・ライアン』とは違ったアプローチで,迫力ある,悲惨さも前面に出した映像になっている。しかし,英雄に仕立て上げられた主人公達の内面の描き方が不十分で感情移入できなかった。やはり戦勝国側から描かれた物語になっていて,日本人には受け入れ難い。ラストシーンで,年老いて臨終の床にある主人公は,息子に硫黄島での戦闘のことは一切語らず,星条旗を立てた後,仲間と海で遊んだ話をする。それがラストシーン。これがイーストウッドの反戦メッセージだと理解したい。

本当は1本ずつ丁寧にレビューしたかった。自分でも残念。

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2006.12.03

リーグ戦,対清水戦,0-3

『サタスポ』でしか映像観てないのだが,今年も鬼門日本平のジンクスは破れなかったようで。順位も10位どまりで,目標の一桁順位はならず。しかし,残留争い目前だったチームがよくここまで立ち直ったと思う。本当に選手達の頑張りとミシャに感謝だ。下位3チームが終盤どこも失速してくれたのも助かった。まあ,今年は優勝争いを目指していたわけで,そこからいくと上位チームとの実力差は更に広がったとしか言えないのだが。

1失点目まではサンフが押していたとのことで,その流れに乗れなかったのが痛かったかな。前半,戸田がわずか2分間で黄紙2枚貰って退場になっちゃうし…そこから2失点。槙野のボランチに入れて,吉弘をCBに,カズをリベロに配した布陣が失敗したとしか言えない(吉弘,復活おめでとう)。これでカズがリベロに入った試合は全て3失点以上(だったかな)。センターとしての適性は確かに問われますね,この結果では。まあ,今日の場合は,槙野のところでどの程度飛び込んでくる選手を潰せてたかということはあると思うし,それはビデオを観てみないとわからないけど。

僕的には,去年のカズのワンボランチとしての大活躍・成長を思い出してみると,やっぱり今CBで使われているのはやはり疑問だ。相手FWやウィングの選手にボールを持たれる前の守備は素晴らしいが,一回ボール持たれて正対しちゃうと,スピードとテクニックのある選手にはほとんどブチ抜かれている。または,厳しく寄せきれずにクロスを上げられて失点,というシーンも少なくなかった。確かにビルドアップという面でのチャレンジパスの精度は素晴らしいが,高さもないし,こういうDF本来の受けに回った時の能力には疑問符をつけざるを得ない。かと言って,もう一回ボランチとして挑戦するには,青山の上下の運動量とシュート力を超えなければいけないが,カズはパス能力と危険なスペースを埋め,インターセプトする危機察知能力は青山より遥かに上だと思うが,前述の2点については敵わない。ミシャは来年カズをボランチとして使うつもりはないだろう。今日の結果で,カズにリベロは任せにくくなった。このまま右CBで行くのか。それがカズの適性にマッチしているのか。そこまでDFとしてスペシャルな守備能力がない選手を他のDFを控えに回してまで使うのか。来年もそれに疑問を感じながら,試合を観ていくことになりそうだ。

ちょっと早いが,来年の課題を整理してみよう。
まずFW。これはウェズレイとの契約がどうなるか,が最大のポイント。今年はMVP級の大活躍をしてくれたウェズレイだが,もう歳だし,来年も同じパフォーマンスができる保障はない。寿人とのコンビを考えれば,ポストプレイが確実にできる選手を補強したいが。クラブは上野を完全移籍で獲得しようとしているようだが,これは謎。上野はポストプレイができない。寿人と俊の二人が並び立たないのは,今季証明済みで,これは俊と同タイプの平繁についても言えることだろう。寿人も単独では仕事ができない。ここはなんとか上手く外人枠を使いたい。

次,MF。ミシャの構想の中では,4-4-2はあるのだろうか。洋次郎が帰ってくることを考えれば,中盤はボックス型で,左から浩司・青山・洋次郎・柏木としたいところだが。浩司が攻撃面でもっとスペシャルになって10得点出来るような得点力の向上が欲しいところだ。ただ,4-4-2(中盤フラットだが)は今年失敗しているだけに,選手の違和感も大きいはず。それにカウンタースタイルの今のチームカラーを捨てることになるのでこれは大きな賭け。となると今年のMF3人の布陣になるが,そうなれば柏木と洋次郎の争いか。現時点では洋次郎の方が総合的な能力的には上だと思うが,ミシャは柏木を使うだろう。ここに一誠がどう絡んでくるか。

次,WB。これは今年どおり,左・コウタ,右・駒野で問題ない。あとは毎年問題になるこの二人のバックアップだね。特にコウタについては年齢的なこともあるし,そろそろ真面目にコウタからポジション奪うくらい勢いのある選手が出てきてほしい。ミシャはダバツを使う手を考えてるかな。右はハンジェが波のないパフォーマンスを発揮してくれればなんとかなる。ミシャはハンジェを中盤で使うつもりはないようだし。

さて,DF。4-4-2なら,左SBにコウタ,右SBに駒野が入る。その場合のCBは?普通に考えれば,吉弘・槙野か。カズに4バックのCBは無理だろ。3バックなら,ダバツ・吉弘・カズか。戸田は残念だが来年は契約できないだろうと予想。盛田の高さも必要だが,スピード系のFWに1対1で全く対応できない。ま,これはダバツも似たようなものなので,どっち使うかはミシャ次第だが。それにしても盛田はよくここまで頑張ったなあ。ラーメン屋になるにはまだまだ早いぞ。

さて,これで上位争いができるかだが,冷静に考えてそれは無理だろう。トップ5との力の差はまだ歴然としたものがある。なにせウチは今季最後まで降格争いをしていたチームなのだから。今年足りなかった中盤の選手の得点力のアップと失点率の低減を目標に地道に頑張って,来年はトップ5のすぐ下辺りまで行くところを狙いたい。そしてあと3年以内に本当に優勝争いに絡めるようなチームになりたい。今のチームの中心のアテネ世代がキャリアの頂点にあるうちに,優勝という夢を見たい。それには,昔からのウチの悪い癖である,実力下位チームから取りこぼさないこと。上位をたまに食いながら,下位には確実に勝つ。これが出来ないと上位進出は難しい。そして,勝者のメンタリティを備えた,真に強いチームに成長してほしいと思う。それは,俺達サポーターも同じだね。

あ,天皇杯は今の戦力ではもう無理でしょう。戸田って何試合出場停止なんだろうか(ルールよく知らん)。今年の功労者の一人が,あれが最後では寂し過ぎるなあ。

最後に,今この時間になっても,明日,ファン感に行くか,吉田にJユース観戦に行くか,迷い中。結局ウチは戦力外通知を外部発表しなかったな。来週早々にあるかも。今年も寂しい思いをする季節になったなあ。

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