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2008.02.24

好きだ、

DVD鑑賞。石川寛監督。宮﨑あおい,西島秀俊,永作博美,瑛太主演。

17歳のユウ(宮﨑あおい)とヨースケ(瑛太)はお互い好意を持っているのに『好きだ,』の一言が言えない。二人は近づき,もつれ,すれ違う。そして,二人に悲しい出来事が…。それから17年,34歳のヨースケ(西島秀俊)とユウ(永作博美)は音楽を通して再会する…。

やっとこさ,DVDで鑑賞。
大きく『17歳のユウとヨースケ』のパートと『34歳のヨースケとユウ』のパートに分かれるわけだが,出来栄えとしては『17歳』の方が良い。それはやはり『17歳』の方がノスタルジックで,少し青い演出もOKなので料理しやすいということが言えるからかもしれない。ここで宮﨑あおいの『隣にいそうだけど,こんな可愛いコは実際はいない』不思議な魅力爆発。瑛太も飾り気のない少年を好演しており,それが『17歳』の方が魅力的に映る要因。そして,この世代の時誰もが感じた『やり場のない異性への想い』=『好きだという想い』を少々鋭角的に大人目線で石川監督は斬る。そうでないと,『自分の姉に好意を抱いている思い人の前に姉のセーラー服を着て登校する』なんてユウの青いけど,突拍子もないエピソードを織り込むことができるだろうか。実際にこんな女子高生いたらビックリ仰天だよ。しかし,それだけ『必死に好き』というどこへも行けないユウの想いが明確に表現されたエピソードだと言える。こういうユウとヨースケを長回しでひたすら追いかける技法はマニアックで確かに魅せるし,後半への布石ともなっている。空を印象的に切り取るカットの多様が目に焼きつけられる。

これに比べて『34歳』のパートは意外と普通。これは34歳のヨースケを演じる西島秀俊が押さえた演技をしているためだと言える。しかし,これはおそらく演出上の作り込みだろう。しかし,それだからこそ『34歳のユウ』を演じる永作博美を強烈なほど魅力的に作品に刻み込む。この作品の永作博美は前半の宮﨑あおいでも吹っ飛ぶくらいに魅力的。真に『怪演』である。その圧倒的な存在感は主役を務める4人の中で飛び抜けている。それは,前半の長回しを多用したカットから一転,ユウのアップとやや引いたカットを短い時間で交互に切り替えていくことで印象に刻み込む。しかし,前半の長回しが効果的に処理できていただけに,この短いカットの切り替えは観ている側にとってはややしつこく,気に障る。これがこの作品の技巧上の最大の欠点。なぜ,ユウのアップを切り替えで押さえていくかというのは,真にこの作品のキモとも言えるラストカットを強烈に印象付けるための伏線であり,そこを技巧的に作り込んでいくという作り手側の思いもよく分かるのだが,ちょっと技に溺れすぎた感がある。あと,ヨースケと酔っ払いの女性のエピソードはもっと短く仕込んで欲しかった。これは,永作博美があまりにも魅力的に撮れているから余計にそう思うのだろうけど。

こういう作品は劇場で思い入れたっぷりに浸って観たいものだ。ちょっと技巧に懲り過ぎた部分を意図的にシンプルに描けていたら,なかなかの傑作となったと思う。それにしても,永作博美,恐るべし。この作品は宮﨑あおいの作品と思って観たのだが,これは永作博美の作品である。こんな『怪演』が出来るなら,彼女の今後の映画女優としての地位はかなり面白いものになると思う。早く『人のセックスを笑うな』を観てみたいものである。

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