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2009.01.12

チェ 28歳の革命

TOHOシネマズ緑井。スティーヴン・ソダーバーグ監督。ベニチオ・デル・トロ主演。

カストロと共にキューバ革命を成し遂げたエルネスト・チェ・ゲバラの伝記映画。前後編2部作の前編となる。

物語は,キューバ革命戦争の流れと,革命達成後の国連総会での演説シーン(これを意図的にモノクロで描いている)を対比させながら進んでいく。が,なぜキューバ革命が起こったのか,とかカストロやゲバラが革命をどう捉えていてか,という説明的な描写は圧倒的に少なく,その辺の背景がゲバラについて知識がない僕のような者にとっては不親切な作りとなっている。

国連総会前後のゲバラの言動を描くことで,カリスマ性を持たせようとしているが,その試みはやや失敗しているように思う。それは,戦争の描写の中で,ゲバラの内面がほとんど描かれてないからだ。戦争の流れの中で,次第に司令官的役割を果たしていく姿が淡々と描かれ過ぎていて,なぜ彼が英雄視されるのかが説得力に欠けている。戦時中のどちらかといえば控え目で自己主張をしない姿と,国連総会で演説する強気な姿が同じ人物とは思えず,断絶している。なぜ彼がカリスマなのか。その説明の描写が圧倒的に足りないと感じる。だから,革命の達成を目の当たりにしても,感動はやや薄い。これもこの戦争の目的というものが説明的に描かれてないからだろう。

ゲバラの内面の葛藤をもっと描いてほしかった。その中でカリスマへと変貌を遂げていく姿が感じ取れれば,深い感動を味わえたかもしれない。その辺は彼の理想が現実に飲みこまれていく後編で泥臭く感じることができるのだろうか。

いずれにしても,前後編2部作の前編である。後編を観てから,全編の評価をしたいが,この前編を観て,『後編が今すぐに観たい』と強く思わせるほどの出来でもないと感じた。そこは残念でもある。

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