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2009.05.25

GOEMON

広島バルト11。紀里谷和明監督。江口洋介主演。

実は僕はこの紀里谷監督の04年の超問題作『CASSHERN』の数少ない肯定派の一人だ。みんながこぞって『超駄作』と酷評した作品に素直に感動し,ナイトで2回観て終電逃して,有楽町から1万2千円使ってタクシーで帰った経験がある。今,冷静になって考えてみればなぜあれほどまでにあの作品にのめり込んだのかよく分からないのだが,メッセージ性の強いアクのある作りが好みに合ったのだと思う。

だから,僕は紀里谷監督の劇場作品第2作目にあたる本作に対して他の皆さんより圧倒的にハードルが低い。その上での感想になるのでご容赦願いたい。

まず,予想していた以上に江口洋介がいい。おまけに全く期待してなかった大沢たかおもいい。彼らが五右衛門や才蔵である必要性は全く感じない脚本の不出来なのだが,彼らは頑張っていた。

殺陣もCGエフェクトを駆使した斬新な作りで新しいアプローチ。ただ,あまりにもCGに頼りすぎて少しゲームっぽい画になってしまった残念感はある。が,ここまでCGを使い尽した迫力ある映像は邦画では観たことはないので,そういう意味ではエポックメイキング的な作品になると思う。アニメ風の画のアレンジが洋画には出せない味なんだろうな。

ただ,脚本には難がある。話を詰め込み過ぎ。シンプルに起承転結とならず,あっちへ行ったり,こっちへ戻ったり忙しい話になっている。そのため,作者の伝えたいメッセージが明確にならず,ストレートに伝わってこなかった。ここはマイナス点。

茶々役が広末涼子というのも僕的には納得しかねる。てか,この話の中で茶々の役割って特にないじゃん,って感じで。少女期を演じた福田麻由子ちゃんが抜群に良かっただけに,ここは残念なところ。

衣装と美術は凄いね。舞台劇的アレンジなんだけれど,良し悪しは別にしてよくあそこまで割り切れたものだ。これも新しいチャレンジと評価したい。

考えてみれば,ハチャメチャな話だが,娯楽作品と捉えればそこそこ楽しめる。『CASSHERN』がトラウマになっている方も,そう怖がらずに劇場に足を運んでみられてはいかがか。


(以下,ネタバレ)


ラストシーンは納得しかねる。五右衛門が一人道端に倒れて死んでしまうなんて芸がなさすぎる。ここに茶々を絡めるとか,あの象徴的な『ホタルの滝』をもう一度使うとか素人でも考えそうなことができなかったのかと思う。

ただ,五右衛門が家康を意図的に斬らなかったというプロットは面白い。扇子の前振りがもっと効いていれば一層効果的だったと思う。惜しい。

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