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2010.02.08

ジュリー&ジュリア

サロンシネマ1。ノーラ・エフロン監督。メリル・ストリープ,エイミー・アダムス主演。

まず最初に伝えたい。この作品は5年に1本あるかないか,それくらいの傑作だ。少なくとも僕はそう思っている。この作品に映画館で出会えたことに感謝したいほど幸せだ。とにかく観た人を幸せにしてくれる作品である。そういう作品を傑作と呼ばずして何を傑作と言うのだろうか。皆さんにはこの作品をできれば,映画館のスクリーンで観てほしい。久しぶりに映画というものの素晴らしさを体感できる作品に出会った。きっと皆さんも同じ体験ができるはずだ。

物語は60年前のフランスで,フランス料理を勉強し,助手を必要としないアメリカの料理人のために壮大なレシピ本を執筆することに奮闘するジュリア(メリル・ストリープ)と,その50年後のニューヨークで,彼女が本に残した全524のレシピを365日で作り,自分のブログにその奮闘ぶりをアップすることに挑戦するジュリー(エイミー・アダムス)の話が平行して進む。

メリル・ストリープ演じるジュリアはものすこくアクがあるけれども,全く憎めない,人を惹きつける素晴らしい魅力を持った女性だ。メリル・ストリープはこのクセの強い役を全く嫌味なく演じていて,本当に素晴らしい演技だった。ジュリアの人間的魅力にグイグイと引き込まれてしまう。そして彼女の作る料理の美味しそうなこと。この美味しそうな料理をスクリーンの大画面で観ていると,向こうからバターの香りが漂ってきそうな錯覚に陥るほど。料理を作る姿が頼もしくて,また最高に面白そうで楽しい。『食べる歓びは生きる歓び』。ジュリアがそう語りかけてくれる。

一方のアイミー・アダムス演じるジュリーは30歳を前にして,自分に確固たる自信が持てないでいる。そういう自分を変えたくて,ジュリアのレシピ本の500以上のレシピを1年間で作りあげるという目標を立てる。それをブログに毎日書き綴ることで,自分を鼓舞し,料理の腕と共に人間的にも成長していく。泣いたり叫んだりしながらも,料理に奮闘するジュリーはとてもキュートで,頑張れって応援したくなる。

そして,忘れてならないのが,二人のパートナーの存在。二人の夫が愛情豊かに妻を支える姿の頼もしく,また素晴らしいこと。理解ある,愛情深い夫の存在なくしては,ジュリーとジュリアの挑戦も,ゴールに届くことはなかっただろう。この旦那様二人がまたとても魅力的で,この作品の絶妙なスパイスになっている。妻が一生懸命作った料理を美味しそうに食べる。そしてその美味しさを言葉にして妻に感謝する。そういうできそうでなかなかできないこと,あなたは毎日なさってますか。

そして,物語は二人がゴールにたどり着くまでを軽やかに描きあげる。その感動は,思わずスクリーンに向かって拍手したくなるほど。観た後,その感動でお腹がいっぱいになり,またたまらなく幸せな気分になれる。僕がこの作品を強く推すのはその幸福感が滅多に得られないものだからだ。こんな作品はそうはないと断言できる。それくらいに僕はこの作品が気に入った。本当に大好きな作品で,『人生のベスト○○』というものを考えるとしたら,これからの人生でもこの作品を必ずリストアップするだろう。

本当に幸せいっぱいの心地よい気分で,エンドロールで僕は自然と拍手していた。そんな作品は本当に滅多にない。是非この幸福感を劇場で皆さんにも味わってもたいたいものだ。

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Comments

更紗さん,コメントありがとうございます。
この作品の素晴らしいところは,料理の持つ可能性の素晴らしさもそうですが,理想的な夫婦のあり方をさりげなく描いているところにあると思います。僕は結婚はしてないですが,こんなにも可愛らしい,意地らしい奥様を全力でサポートできる,理解ある夫にならなければ,と未来の自分(笑)に言い聞かせました。自分的には思いっきりツボに入った作品なので,今年度のベスト5入りは確実だと思ってます。

Posted by: たつし | 2010.02.16 at 09:28 PM

こちらにもおじゃまします。

この映画たつしさんが超オススメしているので
早出してまで行ってきましたよ(笑)

>妻が一生懸命作った料理を美味しそうに食べる。そしてその美味しさを言葉にして妻に感謝する。そういうできそうでなかなかできないこと,あなたは毎日なさってますか。

これは結婚生活で重要な点ですよね。
うちは「妻がそれなりに頑張って作った料理をおいしそうに食べる。そして、その美味しさをたまには言葉にして妻に感謝する」そんな生活です
それなりに頑張ってってとこが申し訳ないですけどねcoldsweats01

こんな凝った料理そうそうには作れないけど
たまに作ってあげると喜びますね。
ジュリーもジュリアも負けず嫌いで
そこがこの話の大切なとこだよね。
そして、そんな負けず嫌いの妻を支える夫たちもね。

Posted by: 更紗 | 2010.02.14 at 03:37 PM

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