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2010.12.19

今週の映画超簡略レビュー3本

『武士の家計簿』…★★★
予想以上に楽しめた。そろばんひとつで生き抜いていく,父の信念というか,その背中を見ながら父と同じ道に進み成長していく息子とか,話に一本信念のような芯が一本通っていて安心して観られた。妻の内助の功的なものがもっと絡んでくればより良かったと思う。

『義兄弟』…★★★
主人公二人の信頼関係がラストに向かってだんだんと濃くなっていく過程が丁寧に描かれていて良かった。アクションシーンも迫力あるもので魅せられたし,プロット的にも面白かった。ラストがハッピーエンドで終わるところが救いのある話になっていて最終的に楽しめた。

『ミレニアム3』…★★★★
1,2は観に行けなかったのだが,3はなんとか観れた。1&2未見でも十分に楽しめる。尺の長さも全く気にならならず,ぐいぐい引き込まれる。1&2も映画館で観たいなあ。またサロンシネマ様にお願いするしかないのかなあ。是非もう一度フィルムマラソンしてほしい。

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2010.12.12

ノルウェイの森

評価…★★

正直がっかりした,というのが僕の感想。あまりにも原作の重要なエピソードをそぎ落とし過ぎている。最も許せなかったのが,クライマックスでワタナベとレイコさんが二人で直子の『お葬式』をするエピソードがカットされていること。あそこで『ノルウェイの森』をレイコさんがギターで弾いて直子とお別れするんじゃなかったのかと。そして,レイコさんの人間性やこの物語での役割の重要性を全く無視した脚本になっていること。レイコさんは,ワタナベとSEXすることで,ワタナベを『生の世界へ引き戻す』というこの物語のキモの部分をカットしてどうする。

とにかく脚本が原作のエピソードのつぎはぎで,登場人物の人間性の描き方が希薄で,感情移入が全くできなかった。ワタナベも直子も緑もレイコさんも永沢さんもハツミさんも突撃隊も,もうみんな存在が希薄。原作では様々なエピソードで物凄く『濃い』人格付けがなされているだけにとても残念だった。

ただ,キャスティングは良かったと思った。松ケンはびっくりするほど村上春樹に似ていた。原作のワタナベを理解していて,きちんとした演技で表現できていた。直子の菊地凛子はミスキャストだと感じていたが,演技が抜群に上手く,原作とは違うが,それでもしっかりとした『直子』を演じ切っていた。永沢役の玉鉄も,ハツミ役の初音映莉子も,突撃隊の柄本時生も。レイコさんの霧島れいかだけが『綺麗過ぎた』気がしたが,ビジュアル的にはそれでOKだと思った。それだけに,これらの登場人物の描き方の『底の浅さ』が余計に気になった。緑の水原希子はビジュアル的には良かったけれど,台詞回しがやはり『素人』でそこが惜しいところだった。あと,さすがと感じたのが,画の美しさ。僕はここにもっと『音楽』が絡んでくればもっと良かったと思うが,バックに無音のシーンが多く,もっと音楽で『あの時代』を表現してほしかったと感じる。静かに物語が台詞のみで進んでいくので,これほどの想い入れを持って公開に臨んだ僕でさえ,一瞬『睡魔』に襲われたほどだった。『ノルウェイの森』が流れたのは,恐らくエンドロールの1回だけ。なぜこの物語のタイトルが『ノルウェイの森』であるかの意味すら希薄という,もうとんでもない事態が発生していた。『ノルウェイの森』は直子が一番好きな曲で,だからこそ,原作のワタナベとレイコさんの二人きりの『直子のお葬式』で最後に弾かれる重要な曲だったはず。それがカットされているというのは原作ファンにとっては許させざる事態だった。よくこの脚本で村上春樹が映画化にOKを出したなと信じられない気分になった。期待が大きかっただけにこの失望感は大きかった。映画『ノルウェイの森』とは,原作上下巻600ページに及ぼうかという長編小説の,2時間14分もかけた壮大なプロモーションビデオの映画版である。これが僕のこの作品を観た感想だ。この映画を観た人は是非原作を読んでほしい。そこには映画で語り尽くすことができなかった登場人物の奥深い心理描写があり,より確実にそれぞれに感情移入できる。なぜワタナベが直子を愛したのか。なぜ直子はワタナベを愛せなかったのか。なぜワタナベは直子を想いつつも緑を愛するようになったのか…。すべての答えは,あの赤と緑の装丁の原作本の中にあるのだ。原作を読んでこそ,映画『ノルウェイの森』は初めて完結することだろう。僕の評価は辛いが,この作品は『駄作』ではない。観方によっては優れた作品であるし,やはりこのテイストは日本人監督には表現することは難しかっただろう。

最後に印象的だったシーンについて。『ワタナベは同じリズムで直子と最後まで歩けない』。これは二人の恋愛が決して成就しないことを暗示している。一方で『ワタナベは緑と同じリズムで並んで歩ける』。この暗喩は物凄く深い。このシーンだけでも,トラン・アン・ユン監督の素晴らしい才能を感じる。そこは映像化した意味があったということだ。そういう意味では今回映画化されたことにより,原作の持つ魅力が更に広がったと好意的に解釈したい。

約束どおり,僕は『最低あと2回は』この作品を観る。今回は原作を再読した直後で,想い入れが強すぎた。冷静にパンフや公式ガイドブックやその他の情報をもう一度頭にインプットしてから2回目を観たいと,そう思う。

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2010.12.06

SPACE BATTLESHIPヤマト

評価…★★★

いやあ,大金かけて大変なモノを作ってくださいましたw。リアルヤマト世代には爆笑モノの大作です。ヤマトの話じゃないです。完全にキムタクの物語になってましたw。キムタクにちょっとでも嫌悪感を持つ人は決して観てはいけない。

もうねえ,キムタクがとにかく大画面でどアップで,濃い,濃~い芝居を延々と続ける話でした。ここは感動シーンだな,きっと,と思うシーンで,何回爆笑しそうで口を塞いだことかw。ありえん演出。キャストの配置も明らかに『ウケ』狙いだろうと。それが2時間18分も。

VFXは予想外に魅せてくれたが,実写のシーンが安っぽいわ。おまけに,ヤマト中心の話ではないのでVFXのシーンは少ないし…。とにかくキムタクの俺様演技とそれに輪をかけた過剰演出がほとんど学芸会レベルの芝居で…。こんな酷い演出の作品は滅多にないです。

おまけに『破動砲』の使い方,その威力の脅威が全く希薄で…。惑星ひとつ吹っ飛ばすんですよ,アニメの破動砲は。それが安易に最初から連発しすぎで…。イスカンダルとかガミラスとかもうどうでもよい設定になってて…本当に酷い。デスラーもスターシアも出てこない。

それでも★三つ付けたのは,真面目に『笑えたから』。リアルヤマト世代以外には説得力あるかも,と感じたから。現実,僕の隣で観てた若者はエンドロールでなんと『拍手』してたし,終演後に『良かった』とつぶやいていた。恐ろしいが,これが真のジェネレーションギャップ 。

キムタクと黒木メイサの絡みのシーンは正直『厳しかった』よ。キムタク様もお歳をめされたということか。島役の緒方直人が思いのほか良い演技をしてて,それで余計にキムタクが浮いていた。緒方直人はこういう作風になることを理解していて演技していたんだと思う。

これだけの役者揃えて,これだけの金かけた作品だからこそ,観ておくべきでしょう。原作にあった『男のロマン』も全く描けてないけど,『宇宙戦艦ヤマト』としてではなく,単なる娯楽作品として観れば,ツッコミどころ満載で本当に楽しめる。キムタクファンには必見!

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